八千代くんのものになるまで、15秒
それがなんだかくすぐったくて、それに普段そんなところにキスなんかされないから、
なんだか恥ずかしい。
思わず顔を逸らしたら、「見てないと分からないでしょ」って梓希くんが言う。
うう、となりつつ彼の方へと視線を戻した。
「な、なんで腕なの」
「だって蓮の髪の毛長いから」
「それ何か関係ある……?」
「首に痕つけたって髪の毛で隠せちゃうでしょ」
腕に唇を這わせたまま、梓希くんはゆるりと微笑んだ。
「な、なんか」
「なに」
「……変な気分になる、」
わざとらしくリップ音をたてて、何度もそこにキスをするから、
梓希くんの綺麗な顔もすぐそばにあるから。
さっきから私の心臓はドキドキと騒がしい。
私の言葉に梓希くんは満足そうに目を細めて。