八千代くんのものになるまで、15秒





遠くの方で、わぁっと盛り上がる声が聞こえる。きっと体育館の方だ。

今はミス・ミスターコンの時間だから。



「つかれたー……」



他の生徒も一般のお客さんも、ほとんどが体育館へと向かった。
やっぱりコンテストの結果が気になるんだろうし、他にもダンス部とか吹奏楽部のパフォーマンスもやっているし。

楽しそうだもん。そりゃあ見に行くよね。



「こずえー、コンテスト見に行かなくていいの?」
「いいの。興味ないし」



テーブル代わりにしていた机に突っ伏す私、
その隣で足を組んでスマホをいじる梢。

一気に静かになった教室で、はぁ、と息を吐く。



「タピオカ、大繁盛だったね」
「そうね」
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