八千代くんのものになるまで、15秒
百合さんも一緒かな?
とにかく、私も急いで職員室に向かおう。
「じゃあ、私いくね。またね、瑛士」
「おう。またな」
瑛士と別れて、職員室の方へと向かう。
この廊下を真っ直ぐ歩いて、突き当たりを右に曲がったらすぐだ。
「──あっ、蓮ちゃん!」
職員室の前には、瑛士の言っていた通り仁さんと百合さんがいた。もちろん梓希くんも。
この準備期間は帰り道も別々だったし、梓希くんも忙しそうだったから、
こうやって顔を合わせるのはなんだか久しぶりのような気がして、思わず泣きそうになる。
「百合さん……お久しぶりです」
「久しぶりだね〜っ。蓮ちゃんにはもう一度会いたいなぁって思ってたの!体育祭見たよっ、リレーすごかった!今日もタピオカ買いに行こうと思ったんだけど、大行列で……!」