八千代くんのものになるまで、15秒


悪戯っぽく笑う日向に、"仕方ないな"と息を吐く。
それもいいかもしれない。



「名前、なんていうの」
「えっ、日向だけど……」
「ちがう。下の名前」

「……(アカネ)、」



窓の外に視線を移すと、夕焼け空が目に入った。



「これからよろしく、茜」



茜という名前は、この空のように綺麗な名前だと思った。





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