八千代くんのものになるまで、15秒
……ていうかっ、別に梓希くんだってそういう意味で誘ったわけじゃないかもしれないし!
ただ現状を伝えてくれただけかもしれないし!
それを私が勝手に色々想像してしまっただけかもしれないし!
本当は梢にも相談したかったけど、話題が話題だし……言い出せなかったというか。
『と、とにかく、状況が状況なので、不用意にお邪魔するのはどうかと思いまして』
『まぁ確かに。それならあんたも大人しくしといた方がいいかもしれないわね。』
『でしょ?でも、今お家に1人なのかって思ったら、やっぱり心配、というか……』
『んー……なら、』
オートロックの機会の前で、私は梓希くんの部屋号室を呼び出した。
『必要そうなものを買って、ドアノブにでもかけてきたら?安否確認もできるでしょ』
と、言うわけで。
こうして私は梓希くんのマンションに来たわけである。