八千代くんのものになるまで、15秒
委員会も日直の仕事もサボらない。
誰にでも優しくて、誠実で……
「どーでもいい女の人に慰めてもらってるような奴だよ、俺は」
大した経験のない私でも、慰めてもらってる、という意味は何となく分かる。
キスマークとか色々、八千代くんに付いているの見たし……
……でも、あぁ、何でだろう。
胸元のシャツをくしゃっと握り締める。
どうして私、こんなに胸が痛いの。
「……だから、倉木には慰めてもらわない」
「え……」
「どーでもよくないもん。」
ぎゅーっと、締め付けられるように胸が鳴った。
……どうでもよくないって、思ってくれてるの?
私のこと、そんな風に思ってくれてるの?
っでも、でも、八千代くん、
「……でも……」
俯き、小さな声をだす私に、八千代くんは不思議そうに顔を覗き込んでくる。