八千代くんのものになるまで、15秒


ふと、八千代くんからの視線を感じて横を向く。

八千代くん?
なんでそんなにビックリした顔してるの?



「選抜リレーって……すごいね、足速いんだ」
「えっ、いやいや、そんなにすごくないよ!陸部の子とは比べ物にならないし……」



逃げ足が速いみたいなものだよっ!たぶん、だけど。



「八千代くんは?何にでるの?」
「んー……でも男子はほとんど騎馬戦じゃないかな」
「八千代くんが騎馬戦!?っいい……」

「はは。なに想像してるの」



ハチマキを取られまいと揉み合いになりながら歯を食いしばる八千代くんです。

想像するだけで、いつもの柔らかい雰囲気とのギャップに心臓がやられてしまいそうです。



「八千代くんのカッコいい姿を想像しました」
「ぶれないね」

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