゚・*:Plesance Sinfonia:*゚・
エヴァは優しい心を持った娘だった。

森の真ん中の湖に、怪我をした小鳥がもがいていたのを見かけたことがあった。
エヴァは助けると言って聞かなかった。


「お姉様!早くしないと死んでしまうわ!」


エヴァはすでに湖に入ろうとしていた。


「すぐにザックを呼んで来るから!
エヴァ!そこで待ってるのよ!絶対に入っちゃダメよ!」



そこから動かなければよかったのか。

しかしエヴァは私が止めようとも助けに行ったに違いない。


小さな小鳥の命の為に―――。


私がザックを呼んで湖に戻ってくると、エヴァの姿は無かった。
小鳥は岩場に助けられていた。


「ザック!お願い!!!エヴァが・・・エヴァが!!!」


ザックが急いで湖に潜ったものの、エヴァはすでに息をしていなかった。
応急処置をしたものの助からなかった。


湖の底の水草に足が絡まり、上に上がれなかったのではないかと言っていた。



小鳥は私とザックの看病で元気になり、空へとかえしてやった。

しかしエヴァが死んでから私の体調は優れなくなっていった。


食事もろくに摂らず、睡眠すらきちんと取れぬ状態。
そんな毎日が続いた。


そんな私を見かねて両親が思いついたのは―――。









エヴァの魂を人形に移植することだった。
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