2人の未来と神様の声
一年後、私は上りにくい石段を優しく手を引かれながら、ゆっくりと1段1段上っている。

目の前にいるのは、凛々しい羽織袴姿の光。

私は、色打ち掛けの裾を右手で持ち、頭には角隠し、足元は草履という昔ながらの婚礼衣装で上っている。


4月8日土曜日の今日、私たちは結婚式と披露宴を終えた。

そして、今、18時を回ったところで、私たちはあの神社に向かっている。

一年後と言われたあの声を信じて。

今日もあの声を聞くんだろうか?

それとも、これで終わりなのだろうか?

それは、この石段を上りきってみないと分からない。


分かることは、ただ一つ。

私たちは、あの声があったから、今、幸せだということ。

このまま、永遠に幸せでいられるように、私たちはこの石段のように、一歩ずつ、2人で共に歩んでいかなければいけないってこと。


もうお互いを疑うことも裏切ることもしないと心に誓って、私たちは、今、この石段を上っている。


境内まで、あと少し。

重い花嫁衣装だけど、あと少しだけ、頑張ろう。




─── Fin. ───


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