花岡みやびの野望とそれに伴う隣人Aの葛藤。
花岡みやびの初デート。
「おい隼人~、いつまで寝てんの?」
「うっせー」
3限の授業に出るため紗良と教室に行くと、なぜかそこに須藤と橘くんがいた。
机につっぷしている須藤を、机に浅く腰かけた橘くんが見下ろしている。
「しかも何で今日メガネ?」
「徹夜でパソコン見てたら目がすっげーシパシパする…」
「徹夜ぁ?今日までのレポートとかあったっけ?」
「ちっげーよ、そんなんよりもっと大事な…」
そこで私の視線に気づいたのか
振り向いた須藤が、げげっとあからさまに嫌そうな顔をした。
「花岡ぁ!?おまえ何でここに」
「こっちのセリフ。今からここで授業なんですけど」
「マジかよ。俺、2限ここ」
「マジか」
全然知らなかった。
大学内で須藤と会話することはあまりない。
たまに見かけることはあっても、別に話すことないし、学科も違うから授業もかぶらない。
それに、だいたい須藤の近くには…
「ドーモ」
チラ、と顔をあげると
スマホをいじっていた橘くんと目があって
にっこり笑顔と一緒に、会釈された。