花岡みやびの野望とそれに伴う隣人Aの葛藤。





「ど、どーも」






冷静を装いながらも、





うわああああああの橘くんと会釈してしまったああああしかもこんな近くでええええええ!!





と私の内部ではリオのカーニバルも真っ青な祭りが巻き起こる。







「はじめまして。体育学科の子?」





「あ、いえ…ちがいます」







だけど祭りの終わりも早かった。






“はじめまして”






そっか、そうだよね。





入学式の日のこと、覚えてるのは私だけだよね。







あんな些細なこと、だし…








「…おい周平、もう行こーぜ。腹へった」







私から橘くんを隠すように






ガタッと立ち上がった須藤がカバンに物を放り込みながら言った。






「あーそっか、次空きか。学食?」





「だな」







須藤の後に続いて歩き始めた橘くんが






「じゃあ、また」






と私に軽く頭を下げて教室を出ていった。









…はじめまして、かあ。




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