花岡みやびの野望とそれに伴う隣人Aの葛藤。
「うわあ、最悪…せっかくここまで出来たのに~!」
油性ペンで書いてしまったから消す術はない。
卒業記念の色紙に修正ペンっていうのも、避けたいし…。
「集中してねーからだろ」
私に指示された色塗りをこなしながら、目を上げずにそう言ってくる須藤。
「くっ…こう見えて私、めっちゃ苦手なんだよね、こういう系。美術ずっと2か3だったし…!」
あああこれだったら、あの分担の時になんとしても出し物担当になっとくべきだった…!
「こう見えてって。見たまんまだけど?」
「うるさいよ!」
「貸せ」
須藤がキュッと自分のペンの蓋をしめると、私の手から色紙を奪い取った。