花岡みやびの野望とそれに伴う隣人Aの葛藤。
「ちょ、ちょっと須藤!水!一回水飲も…っ、」
「却下」
起き上がろうとしたが、須藤に肩を抑えられて阻止された。
「ど、どしたの須藤?なんか今日変だよ?あ、もしかして体調悪いとか?」
わかる。体調悪いときって、ちょっとのお酒でも変に酔っぱらっちゃうんだよね。
「あ、そうだ私、風邪薬持って…」
「俺」
須藤の親指が私の口元を、そ、となぞった。
「…おまえには…キスしない」
「…え…?」
「でも、…お前からキスするのは、ありじゃね?」
「…は?」
「キスしてみろよ。俺に」
瞳と瞳が重なってしまいそうな、至近距離で。
須藤がどこか熱に浮かされたように、囁く。
「それが今日の講義だ」