記念写真を一枚
カウンセラーも得意なのか、それとも豚平さんの扱いが上手いのかは分からない。

慎二さんの声で彼が落ち着いたのは明らかだった。


そういえば確かに、徹夜で少し暴走気味の彼を抑えているのって、修さんとか慎二さんとか、意外と和嶋先生だ。


「それに……もう修居るんだよね」

「……え?」


病室のドアが壊れんばかりに勢いよく開き、修さんがズカズカと入ってきた。


「ったく、お前はなぁ……!」

「お、修さん……ごめんなさい」


段々と顔が青白くなっていく豚平さんを見た彼が、大きくため息をつく。


「そんなしょげた顔しなくても、俺がお前を捨てることはないから安心しろ」


そのまま彼の髪の毛をぐしゃぐしゃに掻き回し、ベットに顔を押し戻した。


「……おん」

「お前は早く怪我を治せ」


自分達ではどうしようも出来なかった豚平さんを、ほんの少しで落ち着かせることが出来るのは少し羨ましかった。

だがその醜い嫉妬心も、彼の寝顔によって消滅したのだが。
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