記念写真を一枚
前に見た笑顔は、思い出せない。

だが写真に残っていた。

スマホに残っている写真と、さっき豚平さんが笑っていた写真は笑い方がそっくりだ。

唯一違うのは、目元が赤くなってきたところだろうか。


「やっぱ、豚平さんは笑ってる顔がいいっすね」

「努君も、笑った顔が一番ええで」

「そうっすか?」


笑顔を見たことで大分安心したのか、肩の力が抜けた。

ついでに表情筋も緩くなってしまう。


「じゃ、今度は唐突じゃなくて普通に写真撮りましょ」


自撮りの角度やカメラなんかは全くわからなかったが、綺麗に納まった。

自分の身長に合わせて、少し屈んでくれたのが少し悔しく嬉しい。

絶対身長を抜かしてやる。






「撮りますよ」

はい、チーズ。
< 51 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop