それはもう、叶うことのない恋で。
月日はあっという間に過ぎて、高校の卒業式。


私は未だに、あいつに囚われている。


今日が終わるのを、あいつに会うのを楽しみに待っている自分がいる。


それが、許せなかった。


あいつのいない高校は、いつもどこか物足りなくて。

何人かの男子生徒に告白されても、とても頷く気にはなれなかった。


気づけばどこかであいつを探していて。

いないと分かってるのに期待して。


そんな自分が馬鹿みたいで。



それでやっと、私はこの恋をまだ諦めることができないんだと悟った。
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