それはもう、叶うことのない恋で。
「明日は卒業式なんて、あっという間ねぇ。それにしても、本当に戻るの?」

「うん。」

高校の友達にも近くの大学に行こうって誘われたけど、私の選択肢はひとつだった。


私の手元には、あいつからの手紙が握られている。



『卒業式の日に、お前に会いに行く。』



書かれていたのはその1文だけ。


でも、私にはそれだけで十分だった。


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