それはもう、叶うことのない恋で。
「わたしは嫌だった。あんたと、あんたの彼女を祝うのが。もう2度と幸せに笑ってる2人の顔を見たくなかった。わたしはずっと前から、あんたのことが大好きだった。本当に、大好きだったよ。」

これで最後だ。こいつの顔を見るのは。
だから、顔を目に焼き付けようと思ったのに。こいつの顔は涙で歪んでしまって、よく見えなかった。


「じゃあね、2人で幸せになりなよ。わたしは1人で幸せになるから。」


幼馴染の静止の声は聞かないで私は玄関の扉を閉めた。

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