それはもう、叶うことのない恋で。
「なんで、いるの。」


「お前が、遠くに行くって聞いて、居ても立っても居られなくなって。それと、昨日の返事」


「聞きたくない。」


なんで。わたしは思いを伝えるだけで良かった。それなのに、なんでわざわざ振られなきゃならないんだ。

「聞いてくれ」

「いやだっっ!なんで、わざわざあんたから離れようと思ったのに、期待させるようなことをするの?これ以上私を惨めな思いにさせないで!もうあんたと彼女の前から消えるから。だからっ。」

あんたを、好きでいさせて。


その言葉はソイツの胸の中に消えた。

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