それはもう、叶うことのない恋で。
なんで、わたしは、こいつに抱きしめられてるの?


「ごめん。本当にごめん。今更だけど、俺はお前が好きだ。昨日、お前に言われてから俺はお前が好きだって気づいたんだ。ずっと気づかなくてごめん。」

「嘘だっ!!慰めの言葉なんて、あんたに求めてないっ」

無理矢理体を離そうともがいても、あいつの腕はさらにきつく私を抱きしめるだけで、離してはくれない。

「それにっ!彼女だって!!」

「あいつには今日の朝に振られてきた。だから」

「わたしはっ!信じないからっっ!」

「信じなくていい。ただ、いつか絶対迎えに行くから。そのときに、ちゃんと、証明するから。」


その言葉に私は返事をせず、飛行機に乗り込んだ。


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