丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう
志田「━━━━━━確かにその通りだ」
そこに志田が入ってきた。
杏樹「久史さん……!」
志田「鈴嶺ちゃんの言う通りだよ。
でも……決めるのは君じゃない━━━━━
杏が、それでもいいって受け入れた。
俺達が出逢った時、俺は既に赤王の若頭で結婚してた。
俺は組に入る時に、約束したんだ。
一度入ったら、二度と抜け出せない。
赤王の娘と結婚する。
この二つを条件に、組に入った。
だから、どんなに俺が杏を愛していても組を抜け出せないし、離婚もできない。
“死”でしか、無理なんだ。
その事を杏に話したら、杏は“それでもいい。久史さんが死んで一生会えなくなるくらいなら、愛人で十分”って。
だから、責めるなら俺にして?
君からの言葉なら、全部聞くよ。
杏の“親友”の君の言葉なら」
鈴嶺「………」
志田「ごめんね、君の大切な親友を傷つけて…
でも、俺も杏を放せない。
杏が受け入れてくれるなら、どんなに最低でも杏を放す気ないよ」
鈴嶺「…………杏ちゃんが決めたことなら、私は何も言えません。
でも、杏ちゃんは苦しんでます!
それだけは、志田さんの心の中に入れておいてください。
私、一人じゃ何もできない弱い人間ですが、杏ちゃんをこれ以上傷つけたら私が許しません!」
志田「わかった!肝に銘じるよ!」
志田「━━━━━良い親友だな…」
杏樹「ん?」
鈴嶺と佐木が去った後、そのままVIP席で飲んでいる杏樹と志田。
酒を飲みながら、呟くように言った。
志田「鈴嶺ちゃん、震えてた」
杏樹「え?」
志田「きっと、俺を怖いと思ってたはず。
ヤクザだし。
でもきっと鈴嶺ちゃん……杏が大切だから、杏の為に俺に真っ直ぐ意見をぶつけてきた」
杏樹「うん…」
志田「鈴嶺ちゃんの為にも、杏をできる限り幸せにする。俺のやり方でな」
そして、一方の鈴嶺━━━━━━━
帰りの車に揺られながら、窓の外をボーッと眺めていた。
鈴嶺「……………凱くんに…会いたいな……」
そして、ポツリと呟いた。
佐木「凱吾様に、連絡してマンションに向かいましょうか?」
鈴嶺「え?何?」
佐木「凱吾様に会いたいんですよね?」
鈴嶺「でも、もう…遅いし……」
佐木「では、私が連絡してみますね」
鈴嶺「え?さ、佐木!?」
鈴嶺の制止も聞かず、スマホを操作する佐木。
佐木「━━━━━もしもし?凱吾様、佐木です」
凱吾『何?』
佐木「今から、お嬢様をそちらへお連れしてもよろしいですか?」
凱吾『は?今から!?それは構わないが、どうした?』
そこに志田が入ってきた。
杏樹「久史さん……!」
志田「鈴嶺ちゃんの言う通りだよ。
でも……決めるのは君じゃない━━━━━
杏が、それでもいいって受け入れた。
俺達が出逢った時、俺は既に赤王の若頭で結婚してた。
俺は組に入る時に、約束したんだ。
一度入ったら、二度と抜け出せない。
赤王の娘と結婚する。
この二つを条件に、組に入った。
だから、どんなに俺が杏を愛していても組を抜け出せないし、離婚もできない。
“死”でしか、無理なんだ。
その事を杏に話したら、杏は“それでもいい。久史さんが死んで一生会えなくなるくらいなら、愛人で十分”って。
だから、責めるなら俺にして?
君からの言葉なら、全部聞くよ。
杏の“親友”の君の言葉なら」
鈴嶺「………」
志田「ごめんね、君の大切な親友を傷つけて…
でも、俺も杏を放せない。
杏が受け入れてくれるなら、どんなに最低でも杏を放す気ないよ」
鈴嶺「…………杏ちゃんが決めたことなら、私は何も言えません。
でも、杏ちゃんは苦しんでます!
それだけは、志田さんの心の中に入れておいてください。
私、一人じゃ何もできない弱い人間ですが、杏ちゃんをこれ以上傷つけたら私が許しません!」
志田「わかった!肝に銘じるよ!」
志田「━━━━━良い親友だな…」
杏樹「ん?」
鈴嶺と佐木が去った後、そのままVIP席で飲んでいる杏樹と志田。
酒を飲みながら、呟くように言った。
志田「鈴嶺ちゃん、震えてた」
杏樹「え?」
志田「きっと、俺を怖いと思ってたはず。
ヤクザだし。
でもきっと鈴嶺ちゃん……杏が大切だから、杏の為に俺に真っ直ぐ意見をぶつけてきた」
杏樹「うん…」
志田「鈴嶺ちゃんの為にも、杏をできる限り幸せにする。俺のやり方でな」
そして、一方の鈴嶺━━━━━━━
帰りの車に揺られながら、窓の外をボーッと眺めていた。
鈴嶺「……………凱くんに…会いたいな……」
そして、ポツリと呟いた。
佐木「凱吾様に、連絡してマンションに向かいましょうか?」
鈴嶺「え?何?」
佐木「凱吾様に会いたいんですよね?」
鈴嶺「でも、もう…遅いし……」
佐木「では、私が連絡してみますね」
鈴嶺「え?さ、佐木!?」
鈴嶺の制止も聞かず、スマホを操作する佐木。
佐木「━━━━━もしもし?凱吾様、佐木です」
凱吾『何?』
佐木「今から、お嬢様をそちらへお連れしてもよろしいですか?」
凱吾『は?今から!?それは構わないが、どうした?』