丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう
鈴嶺は、ふと考えた。
もし…凱吾に奥さんがいたら、自分はどうするのだろう……と。
この狂おしい気持ちを抑え込み、凱吾から放れることができるのだろうか━━━━
もしかしたら杏樹と同じように“愛人”で構わないからと関係を持つかもしれない。
鈴嶺「………っ…凱く……」
鈴嶺は凱吾にすがるように抱きついた。
凱吾「え?鈴嶺?どうした?」
鈴嶺「早く……私を早く、今すぐ凱くんの奥さんにして……!」
凱吾「鈴…嶺…?」
誰かに取られる前に━━━━━━━
鈴嶺「お願い!!私、凱くんの一番になりたい!」
涙が溢れて、次から次へと涙が流れる。
鈴嶺は、必死に凱吾に懇願する。
凱吾「鈴嶺!!?落ち着け!!
大丈夫。言ったろ?
絶対、許可を得るって!鈴嶺を放さないって。
それに、鈴嶺は僕の“一番”だよ。
僕の世界の中心は“鈴嶺”だから」
額と額をくっつけ、言い聞かせる凱吾。
そして、涙を拭った。
鈴嶺「そう…だよね……ごめんね…」
凱吾「何があった?」
鈴嶺「え?」
凱吾「鈴嶺が自分から話してくれるまで待とうと思ってたけど、鈴嶺が壊れそうだから聞かせて。
何故、こんな時間に会いに来た?
何故、結婚を急ぐ?
一番になりたいって何だ?
あと…………何故、泣いた?」
鈴嶺「それは……」
凱吾「鈴嶺、言って?」
鈴嶺は、杏樹の事を話した。
杏樹のこと、志田のこと、そして自分の思い……全て。
凱吾「そうだろうなとは思ってた」
鈴嶺「凱くん、驚かないの?」
凱吾「なんとなく、杏樹が不倫をしてるのは察しがついてた」
鈴嶺「え?」
凱吾「僕、よく杏樹が男と歩いてるの見かけてた。
最初はクラブの客だと思ってたけど、明らかに杏樹の表情が違うから、彼氏なんだろうなって。でも、鈴嶺はその事実を知ってる風じゃない。
杏樹に彼氏ができてたら、絶対鈴嶺が知ってるはずだろ?で、僕に話すはず。
“杏ちゃんに彼氏さんができたみたいなのー”とか。
それがないってことは、鈴嶺に言えない恋をしてるってこと。
もうそうなると考えられるのは不倫か、禁断か、相手が犯罪者とかヤクザとか…そんなとこかなって」
鈴嶺「す、凄い…」
凱吾「………ねぇ、鈴嶺」
鈴嶺「え━━━?」
凱吾が鈴嶺を組み敷く。
そして頬を撫でた。
凱吾「子ども、作ろ?」
鈴嶺「え……」
凱吾「実はさっきの懇願、狂うくらいに嬉しかったんだ。早く奥さんにしたいから、子ども作ろうよ」
そう言って凱吾は、鈴嶺の口唇を奪うように重ねた。
もし…凱吾に奥さんがいたら、自分はどうするのだろう……と。
この狂おしい気持ちを抑え込み、凱吾から放れることができるのだろうか━━━━
もしかしたら杏樹と同じように“愛人”で構わないからと関係を持つかもしれない。
鈴嶺「………っ…凱く……」
鈴嶺は凱吾にすがるように抱きついた。
凱吾「え?鈴嶺?どうした?」
鈴嶺「早く……私を早く、今すぐ凱くんの奥さんにして……!」
凱吾「鈴…嶺…?」
誰かに取られる前に━━━━━━━
鈴嶺「お願い!!私、凱くんの一番になりたい!」
涙が溢れて、次から次へと涙が流れる。
鈴嶺は、必死に凱吾に懇願する。
凱吾「鈴嶺!!?落ち着け!!
大丈夫。言ったろ?
絶対、許可を得るって!鈴嶺を放さないって。
それに、鈴嶺は僕の“一番”だよ。
僕の世界の中心は“鈴嶺”だから」
額と額をくっつけ、言い聞かせる凱吾。
そして、涙を拭った。
鈴嶺「そう…だよね……ごめんね…」
凱吾「何があった?」
鈴嶺「え?」
凱吾「鈴嶺が自分から話してくれるまで待とうと思ってたけど、鈴嶺が壊れそうだから聞かせて。
何故、こんな時間に会いに来た?
何故、結婚を急ぐ?
一番になりたいって何だ?
あと…………何故、泣いた?」
鈴嶺「それは……」
凱吾「鈴嶺、言って?」
鈴嶺は、杏樹の事を話した。
杏樹のこと、志田のこと、そして自分の思い……全て。
凱吾「そうだろうなとは思ってた」
鈴嶺「凱くん、驚かないの?」
凱吾「なんとなく、杏樹が不倫をしてるのは察しがついてた」
鈴嶺「え?」
凱吾「僕、よく杏樹が男と歩いてるの見かけてた。
最初はクラブの客だと思ってたけど、明らかに杏樹の表情が違うから、彼氏なんだろうなって。でも、鈴嶺はその事実を知ってる風じゃない。
杏樹に彼氏ができてたら、絶対鈴嶺が知ってるはずだろ?で、僕に話すはず。
“杏ちゃんに彼氏さんができたみたいなのー”とか。
それがないってことは、鈴嶺に言えない恋をしてるってこと。
もうそうなると考えられるのは不倫か、禁断か、相手が犯罪者とかヤクザとか…そんなとこかなって」
鈴嶺「す、凄い…」
凱吾「………ねぇ、鈴嶺」
鈴嶺「え━━━?」
凱吾が鈴嶺を組み敷く。
そして頬を撫でた。
凱吾「子ども、作ろ?」
鈴嶺「え……」
凱吾「実はさっきの懇願、狂うくらいに嬉しかったんだ。早く奥さんにしたいから、子ども作ろうよ」
そう言って凱吾は、鈴嶺の口唇を奪うように重ねた。