丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう
凱吾「…………知ってたのか」
紀信「凱吾がそんな態度だと、一生…許可得られないんじゃない?」
凱吾「子ども、作ろうかなって」
紀信「は?」
凱吾「そしたら、結婚…許さざるを得ない」
紀信「凱吾、それ……本気で言ってるの?」
凱吾「うん」
凱吾はいたって普通に頷いた。
紀信「………最低だよ、それ…」
凱吾「は?なんで?」
紀信「子どもは、結婚する為の“道具”じゃない!」
凱吾「僕は、父さんと母さんの“道具”だった」
紀信「凱吾…」
凱吾「だったら、何でこの世にできちゃった結婚が存在するの?それって、子どもを理由に“責任”という名の結婚でしょ?
それこそ、子どもを道具扱いしてる。
それに親にも一人の時間が必要とか言って、どっかに預けて自分達は好き勝手遊ぶ。
その時に預けられてる子どもの気持ちなんてお構い無しに。
これだって、道具扱いだ。
そして都合のいい時だけ、親の顔をする。
中には、虐待する親もいる。
これも、道具扱いしてる。
ね?子どもはね、親の道具」
紀信「確かに、そんな親はいる。
でも、そうじゃない親だって沢山いる!」
凱吾「そうだな。紀信なら、きっと後者だな。
でも僕は、そうはなれない。
だから子どもは作らないつもりだった。
子どもを愛せないのに作るのは、子どもに対して迷惑だから。でも、鈴嶺の両親が許可しない。
だったら、そうするしかない」
紀信「凱吾…そんなんで、鈴嶺を幸せにできるの?
頼むよ……鈴嶺の幸せをちゃんと……」
凱吾「それは、鈴嶺が決めることだ。
僕じゃない。鈴嶺が、僕を選んだ。
重要なのは、僕が“最低”ってことじゃない。
“鈴嶺が僕を選んだ”それ一点だ」
紀信のすがるような瞳を真っ直ぐ受けとめ、凱吾は答えた。
鈴嶺「ん…」
そこに鈴嶺が目を覚ました。
凱吾・紀信「鈴嶺!!?」
鈴嶺「あ…凱くん…紀信くんも……
ずっと、いてくれたの?」
凱吾「うん」
紀信「気分はどう?」
鈴嶺「ん…たいぶ、いいかな…」
そう言って、ゆっくり起き上がった。
凱吾がすかさず支え、紀信がカーディガンを羽織らせた。
鈴嶺「フフ…二人共、ありがとう…!」
凱吾「鈴嶺、水飲む?」
鈴嶺「うん」
白湯を渡すと、ゆっくり飲んだ鈴嶺。
鈴嶺「………二人共、もう大丈夫だから帰って」
凱吾・紀信「は?なんで!!?」
鈴嶺「え?だ、だって、うつしたら大変でしょ?」
凄い剣幕の二人にビクッとしながら、答えた鈴嶺。
凱吾「うつしてよ!そしたら、鈴嶺が楽になる」
紀信「そうだよ。医学的根拠ないけど、よくそう言うでしょ?」
鈴嶺「フフ…(笑)
頭のいい、二人らしくない言葉だね(笑)」
鈴嶺は終始、笑っていた。
紀信「凱吾がそんな態度だと、一生…許可得られないんじゃない?」
凱吾「子ども、作ろうかなって」
紀信「は?」
凱吾「そしたら、結婚…許さざるを得ない」
紀信「凱吾、それ……本気で言ってるの?」
凱吾「うん」
凱吾はいたって普通に頷いた。
紀信「………最低だよ、それ…」
凱吾「は?なんで?」
紀信「子どもは、結婚する為の“道具”じゃない!」
凱吾「僕は、父さんと母さんの“道具”だった」
紀信「凱吾…」
凱吾「だったら、何でこの世にできちゃった結婚が存在するの?それって、子どもを理由に“責任”という名の結婚でしょ?
それこそ、子どもを道具扱いしてる。
それに親にも一人の時間が必要とか言って、どっかに預けて自分達は好き勝手遊ぶ。
その時に預けられてる子どもの気持ちなんてお構い無しに。
これだって、道具扱いだ。
そして都合のいい時だけ、親の顔をする。
中には、虐待する親もいる。
これも、道具扱いしてる。
ね?子どもはね、親の道具」
紀信「確かに、そんな親はいる。
でも、そうじゃない親だって沢山いる!」
凱吾「そうだな。紀信なら、きっと後者だな。
でも僕は、そうはなれない。
だから子どもは作らないつもりだった。
子どもを愛せないのに作るのは、子どもに対して迷惑だから。でも、鈴嶺の両親が許可しない。
だったら、そうするしかない」
紀信「凱吾…そんなんで、鈴嶺を幸せにできるの?
頼むよ……鈴嶺の幸せをちゃんと……」
凱吾「それは、鈴嶺が決めることだ。
僕じゃない。鈴嶺が、僕を選んだ。
重要なのは、僕が“最低”ってことじゃない。
“鈴嶺が僕を選んだ”それ一点だ」
紀信のすがるような瞳を真っ直ぐ受けとめ、凱吾は答えた。
鈴嶺「ん…」
そこに鈴嶺が目を覚ました。
凱吾・紀信「鈴嶺!!?」
鈴嶺「あ…凱くん…紀信くんも……
ずっと、いてくれたの?」
凱吾「うん」
紀信「気分はどう?」
鈴嶺「ん…たいぶ、いいかな…」
そう言って、ゆっくり起き上がった。
凱吾がすかさず支え、紀信がカーディガンを羽織らせた。
鈴嶺「フフ…二人共、ありがとう…!」
凱吾「鈴嶺、水飲む?」
鈴嶺「うん」
白湯を渡すと、ゆっくり飲んだ鈴嶺。
鈴嶺「………二人共、もう大丈夫だから帰って」
凱吾・紀信「は?なんで!!?」
鈴嶺「え?だ、だって、うつしたら大変でしょ?」
凄い剣幕の二人にビクッとしながら、答えた鈴嶺。
凱吾「うつしてよ!そしたら、鈴嶺が楽になる」
紀信「そうだよ。医学的根拠ないけど、よくそう言うでしょ?」
鈴嶺「フフ…(笑)
頭のいい、二人らしくない言葉だね(笑)」
鈴嶺は終始、笑っていた。