丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう
鈴嶺「佐木、どっちがいいかな~?」
佐木「どちらもお似合いですよ!」
鈴嶺は佐木と、ショッピングに出かけていた。
凱吾とのデートで着ていく服を選び中だ。
鈴嶺「答えになってないよ」
佐木「しかし、どちらもお似合いですし」
鈴嶺「凱くんはどっちが好きかな?」
佐木「……こっちでしょうか」
鈴嶺「やっぱり?じゃあ、こっちにしよっと!」
フフ…と微笑んでレジに向かう鈴嶺。
佐木はとにかく複雑だった。
鈴嶺が日に日に凱吾に惚れていく━━━━━
凱吾と紀信の会話をドアを挟んで聞いていた、佐木。
どちらが正しいとかはない。
凱吾の言う通り、決めるのは鈴嶺だ。
でも紀信の言う通り、凱吾の考え方は最低だ。
二人共、鈴嶺を大切に思っているのは変わりないのに、こんなに違うものなのか━━━━と。
そしてカフェに向かい、鈴嶺は一人でコーヒーを飲んでいた。
基本的に、佐木は同席しない。
なので、こんな時はいつも一人なのだ。
ガラス張りの店内。
ボーッと外の人達が歩いている姿を見ていた、鈴嶺。
突然、ガラス越しに顔が出てきた。
鈴嶺「キャッ!!?
━━━━━紀信くん!!?」
紀信が手を振っていた。
そして中を指差し、目で合図する。
鈴嶺が頷くと、嬉しそうに店内に入ってきた。
紀信「鈴嶺、一人?」
鈴嶺「うん」
紀信「佐木さんは?」
鈴嶺「車で待ってるよ」
紀信「一緒していい?」
鈴嶺「もちろん!」
微笑む鈴嶺に、紀信も微笑み返した。
紀信「何してたの?
……………あー、買い物か!」
鈴嶺の横にある紙袋を見て言う。
鈴嶺「うん!今度のデート用のワンピースなの!」
紀信「………そっか」
好きな子の、自分と別の男性との話を聞く。
こんなに苦痛なことはない。
鈴嶺「……紀信くん?」
紀信「ん?」
鈴嶺「どうしたの?悲しそう……」
紀信「そう?大丈夫だよ」
鈴嶺「紀信くんはいないの?」
紀信「え?」
鈴嶺「好きな人。
今はお仕事やお勉強で忙しいから、そんな暇ないかな?」
紀信「…………いるよ」
鈴嶺「え!?どんな人!?」
瞳をキラキラさせて言った、鈴嶺。
今、目の前にいるよ━━━━━
そう言えたら、どんなにいいだろう。
紀信「可愛いよ。
同い年だけど、年下みたいに可愛い。
優しくて、穏やかで…お人好しなとこがあるけど、柔らかくて、癒される。
その子がいれば、どんなに辛いことがあっても、毎日頑張れるってくらいに」
紀信を包む雰囲気が、甘くて柔らかい。
鈴嶺はそんな紀信を微笑んで見ていた。
佐木「どちらもお似合いですよ!」
鈴嶺は佐木と、ショッピングに出かけていた。
凱吾とのデートで着ていく服を選び中だ。
鈴嶺「答えになってないよ」
佐木「しかし、どちらもお似合いですし」
鈴嶺「凱くんはどっちが好きかな?」
佐木「……こっちでしょうか」
鈴嶺「やっぱり?じゃあ、こっちにしよっと!」
フフ…と微笑んでレジに向かう鈴嶺。
佐木はとにかく複雑だった。
鈴嶺が日に日に凱吾に惚れていく━━━━━
凱吾と紀信の会話をドアを挟んで聞いていた、佐木。
どちらが正しいとかはない。
凱吾の言う通り、決めるのは鈴嶺だ。
でも紀信の言う通り、凱吾の考え方は最低だ。
二人共、鈴嶺を大切に思っているのは変わりないのに、こんなに違うものなのか━━━━と。
そしてカフェに向かい、鈴嶺は一人でコーヒーを飲んでいた。
基本的に、佐木は同席しない。
なので、こんな時はいつも一人なのだ。
ガラス張りの店内。
ボーッと外の人達が歩いている姿を見ていた、鈴嶺。
突然、ガラス越しに顔が出てきた。
鈴嶺「キャッ!!?
━━━━━紀信くん!!?」
紀信が手を振っていた。
そして中を指差し、目で合図する。
鈴嶺が頷くと、嬉しそうに店内に入ってきた。
紀信「鈴嶺、一人?」
鈴嶺「うん」
紀信「佐木さんは?」
鈴嶺「車で待ってるよ」
紀信「一緒していい?」
鈴嶺「もちろん!」
微笑む鈴嶺に、紀信も微笑み返した。
紀信「何してたの?
……………あー、買い物か!」
鈴嶺の横にある紙袋を見て言う。
鈴嶺「うん!今度のデート用のワンピースなの!」
紀信「………そっか」
好きな子の、自分と別の男性との話を聞く。
こんなに苦痛なことはない。
鈴嶺「……紀信くん?」
紀信「ん?」
鈴嶺「どうしたの?悲しそう……」
紀信「そう?大丈夫だよ」
鈴嶺「紀信くんはいないの?」
紀信「え?」
鈴嶺「好きな人。
今はお仕事やお勉強で忙しいから、そんな暇ないかな?」
紀信「…………いるよ」
鈴嶺「え!?どんな人!?」
瞳をキラキラさせて言った、鈴嶺。
今、目の前にいるよ━━━━━
そう言えたら、どんなにいいだろう。
紀信「可愛いよ。
同い年だけど、年下みたいに可愛い。
優しくて、穏やかで…お人好しなとこがあるけど、柔らかくて、癒される。
その子がいれば、どんなに辛いことがあっても、毎日頑張れるってくらいに」
紀信を包む雰囲気が、甘くて柔らかい。
鈴嶺はそんな紀信を微笑んで見ていた。