憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~
ずっと好きな人に告白するタイミングを待っていた。


再会してから間もないとはいえ、いくらでもチャンスはあったはずなのに、なかなか伝えられずにいた想い。


僕は…


二度とこの優しい微笑みが見れなくなったら…そう思うと、怖くて逃げていたのかも知れない。


本当に情けない。


『晴月部長の好きな人って…すぐ近くにいますよね?私…』


香山さんは、そう言って言葉を詰まらせた。


僕も驚いて、何も言えずに黙ってしまった。


『あっ、いえ。ちょっとそんな気がして。でも、もしその人に告白するなら絶対に成功させて下さい。私…祈ってますから。成功してくれなきゃ私…』


さっきまでとは違うにこやかな顔。


無理に笑顔を作っている。


その顔を見れば、今のセリフに何かの意味を含んでることは十分わかった。


だけど、今はそれをあえて詮索するのはやめておこう。


『じゃあ、すみません。失礼します』


香山さんはバタバタと足音を立てて走り去っていった。


僕のタイミング…


それは、きっと今のような気がしてならない。


心がザワザワと騒ぎ出す。


今夜、彼女に…


全てを話そう。
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