憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~
『里桜はもう生徒じゃないだろ。もう10年経ってるんだからな。大人同士なんだし、見た目があんまり変わってないっていっても、まあちょっとは女性として成長したんだから自信持って会えばいいじゃないか』


薫ちゃん…


そんな簡単に言わないでよ。


『そうよ、あんな良い人いないんだから。もし連絡が来たら必ず会いなさいよ。本当に何があるかわからないわよ。そうよ、うちに呼んで来なさい。私、腕によりをかけて唐揚げ作るから』


お母さん、めちゃくちゃワクワクしてない?


『だから、そういうんじゃないってば。もう、この話はおしまい。ご飯食べよ』


少し冷めた唐揚げに手を伸ばす。


変なこというから動揺して少し手が震えてるよ。


私と御曹司の千隼先生がどうにかなる訳ないのに、2人はまだニヤニヤして嬉しそうにしてる。


もう、本当に困るよ。


私達は、そういうんじゃないんだから。


先生は、私の…


「憧れ」


ただ、それだけなんだから。
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