憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~
『さあ、乗って』


車の助手席。


先生の横に座ってる自分がまだ信じられないけど、チラッと運転席を見るとちゃんと千隼先生がいて…


この嘘みたいな状況を早く受け入れなきゃと何度も言い聞かせる。


これからどこに行くのかな…


高級そうなレストランとかだったら緊張してしまう。


なんて思ってたら、たどり着いたお店は意外とリーズナブルなイタリア料理店だった。


良かった…こんな雰囲気なら安心出来る。


マナーとかよくわからないし、ドレスコードがあったら困ったし、ちょっとホッとした。


少し照明が暗めの店内は、ロウソク型のライトの光がゆらゆら揺らめいてムードは満点だ。


『とても素敵なお店ですね』


『ありがとう。ここは父さんのお気に入りでね』


『お父様の?』


と、いうことは社長の行きつけってことなんだよね。


そうなるとちょっと違う意味で緊張する。
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