憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~
『LUNA BLU…』


『そうだ。LUNA BLU(ルーナ・ブル)はイタリア語でブルームーン』


大きなキャンバスの中に小さな青い月、周りに散らばる星達が神秘的に描かれてる。


手を伸ばして触りたくなるくらい印象強い「月」。


店内のほんのり薄暗い照明が更にその「月」を浮かび上がらせ、存在を際立たせている。


いったいどんな画材を使って描いてるんだろう。


なんとも言えない深みのある色合い。


何種類もの絵の具を微妙に調整しながらこの神秘的な世界を完成させたに違いない。


『本当に…綺麗』


単純な言葉だけど、それ以上の表現は無い気がした。


『あの絵の月は、父さんの父さん、つまりうちの祖父が祖母と新婚旅行で行ったイタリアの地で見た「ブルームーン」なんだ』


『イタリアのブルームーン…』


『ああ、2人の幸せの象徴だ』


先生もその絵を見て少し口角を上げた。
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