絢なすひとと
知識が足りないので、名称までは分からないのだけど、黒地に白花をくっきりと染め抜いた着物に、刺繍を施した白い帯を合わせ、飴色の帯締めでそこに一条の柔らかさを添えている。
目鼻立ちのはっきりした美貌も相まって、着物雑誌のグラビアから抜け出てきたようだった。
艶やかで凛とした着姿には、店の顔としての矜持が感じられた。
兄妹の父で七尾家に婿として入っている和文さんは、主に仕入れを担っている。
良いもの、質の高いものは、生産量も職人さんも工房も限られている。
実直な人柄ながら、着物に関しては妥協しないという和文さんは、産地に直接足を運んで生産者の方と関係を築くことを信条としている。
季美子さんという大黒柱を失ってしまったけれど、それぞれが柱としてほづみ屋を支えてゆく意気がここにはあった。
そして新しく取締役に就いた司さんは二十八歳。宗介さんは二十七歳、桜帆さんは二十五歳と若い。
若いということは先に伸びる可能性でもある、
悲しみを乗り越えて新しく歩み始めたほづみ屋に、わたしも微力ながらできることがあればと願う。
目鼻立ちのはっきりした美貌も相まって、着物雑誌のグラビアから抜け出てきたようだった。
艶やかで凛とした着姿には、店の顔としての矜持が感じられた。
兄妹の父で七尾家に婿として入っている和文さんは、主に仕入れを担っている。
良いもの、質の高いものは、生産量も職人さんも工房も限られている。
実直な人柄ながら、着物に関しては妥協しないという和文さんは、産地に直接足を運んで生産者の方と関係を築くことを信条としている。
季美子さんという大黒柱を失ってしまったけれど、それぞれが柱としてほづみ屋を支えてゆく意気がここにはあった。
そして新しく取締役に就いた司さんは二十八歳。宗介さんは二十七歳、桜帆さんは二十五歳と若い。
若いということは先に伸びる可能性でもある、
悲しみを乗り越えて新しく歩み始めたほづみ屋に、わたしも微力ながらできることがあればと願う。