絢なすひとと
なかなか時間を作れなくてごめん、と食事のあと庭園をそぞろ歩いていると、司さんの口からそんな言葉がこぼれた。
毎日のように電話やメッセージアプリでのやり取りはしているけれど、二人でこうして出かけるのは初めてのことだ。
記念すべき初デート、になるんだろうか。ついでにわたしにとっては、人生初の着物でのお出かけだ。
「そんなこと気にしないでください。司さんがすごく忙しいのは、分かっているつもりです」
彼が代表を務める会社で働いているのだから。
ほづみ屋はいま転換期を迎えている、まさに正念場という感じだ。
突然の代表就任と同時に、新店舗出店という一大プロジェクトに取り組むことになった彼の多忙と重圧は、察するにあまりある。
呉服屋という商売がらもあり、司さんが土日も問わず昼夜忙しくしているのは、傍目にもよく分かるから。
今日もこの後打ち合わせが控えていることも知っている。
そんななかで、ふたりで会う時間を捻出してくれたことがただ嬉しい。
毎日のように電話やメッセージアプリでのやり取りはしているけれど、二人でこうして出かけるのは初めてのことだ。
記念すべき初デート、になるんだろうか。ついでにわたしにとっては、人生初の着物でのお出かけだ。
「そんなこと気にしないでください。司さんがすごく忙しいのは、分かっているつもりです」
彼が代表を務める会社で働いているのだから。
ほづみ屋はいま転換期を迎えている、まさに正念場という感じだ。
突然の代表就任と同時に、新店舗出店という一大プロジェクトに取り組むことになった彼の多忙と重圧は、察するにあまりある。
呉服屋という商売がらもあり、司さんが土日も問わず昼夜忙しくしているのは、傍目にもよく分かるから。
今日もこの後打ち合わせが控えていることも知っている。
そんななかで、ふたりで会う時間を捻出してくれたことがただ嬉しい。