沈黙の戦い〜凛々しい棋士のギャップ〜
「美羽は可愛いから、パパさん達にもモテモテじゃない」

「ゴホッ⁉️」驚き咽る。

「アラッ?何かあった?」

「みうせんせ〜い、ブランコおして〜」

「陽菜、呼ばれたから行くね」

 気まずい話題から、上手く逃げ出せた。陽菜の勘が鋭いのか、美羽が鈍いのか……。啓太の父親のことはどうしたらいいのか……。

 この日は、早番で啓太の父親と顔を合わすことなく、仕事を終え帰宅する。

 匠からはメールが来て少しやり取りしたが、忙しいのか通話することはなかった。

 メールで温かい気持ちになるが、少しでも声を聞きたい思いも感じる。すでに、美羽の中では匠の存在が大きくなっていた。

 
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