沈黙の戦い〜凛々しい棋士のギャップ〜
 志乃から話を聞いていた葉加瀬家だが、タイミングが合わず実際に会うのが病院になってしまった。

 そして、この日のお見舞いが、後々大変な事態になってしまうのだった。
 
 楠田総合病院を後にしたふたりは、病院を出た所で声を掛けられた。

「すみません。週刊未来の者ですが、お二人のご関係は」

「「⁉️」」

 ふたりは驚き固まる。

「どうしてここに……」匠は素朴な疑問をぶつける。

「一緒にマンションから出て来られましたよね?」

 どうやら、マンションを張られていたらしい。ここ最近の視線は週刊誌の記者だったのか。

「人の周りをこそこそと嗅ぎ回られるのは不愉快です。僕は芸能人ではないですし、彼女も一般人です。迷惑です」



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