沈黙の戦い〜凛々しい棋士のギャップ〜
 どうやら、父親の方を覚えていたようだ。

「その子がどうしたの?また何か言われたのか?」

「違うの。さっきこのマンションの下で会って」

「えっ⁉️ここに住んでるのか?」

「う〜ん。ちょっと違うの」

「どういう事だ?」

「啓太くんのママが住んでるの」

「えっ?ということは、別れた奥さん?」

「そう」

「交流はあるって事だ」

「そうみたい。啓太くん嬉しそうだったし」

「なんか、俺達にはわからない複雑な事情があるのかもな」

「だね」

 全くの他人事だと思っていた。だが、啓太の母の大きな勘違いに巻き込まれていたのだ。



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