沈黙の戦い〜凛々しい棋士のギャップ〜

　大体の事情はわかったが、啓太の母親がいないと解決は難しい。

　そこへ、外から声が掛かる。

「園長先生、お客様です」陽菜の声だ。

「今、取り込み中で」

「はい。そのお話に関係があるかと」

「？？どうぞ」

「失礼します」入って来たのは……。

「匠⁉️」「翔子⁉️」

「お知り合い？あら？あなた」

　園長先生も匠には気づいたみたいだ。なんとそこには、匠と嫌々連れて来られたのか不貞腐れている翔子の姿。

「お邪魔して申し訳ありません。葉加瀬匠と申します」

「はあ」

「こちらの女性は園の前で中を覗き込んで怪しかったのでお連れしました」

「失礼な！私は啓太の母親よ。あなたこそ、そこにいる女に騙されてるわよ」