心の中の声が開いたドアに問いかける。
すると、急にドアから人影が現れた。
うちの学校の男子の制服を着ている。
顔が見たいのに光の陰になっていてよく見えない。
「_____」
「え?なんていったの?」
「………」
「ねえ!あなた誰なの?」
答えてくれないが、代わりに影が薄くなっていき、顔が少しだけ見えた。
「え……あなた……」
知っている。
知っているけど思い出せない。
この人……この人どこかで……!

「………ん……夢…?」
顔をあげると、そこは教室ではなく見慣れた私の部屋だった。
扇風機の弱い音が耳に残る。
結んでいたはずの髪はいつの間にかほどけていて、床にゴムが落ちていた。」
「…げっ。もうこんな時間。」
いつから寝ていたんだろう。
時刻は午後七時。
だらだらと冷蔵庫の前にたち、おでこににじむ汗を腕で拭きながら冷蔵庫を開けた。
面倒くさいから今日は納豆だけにしよう。
起きたばっかでやる気が出ないので、先にお風呂に入ろう。
湯船に水をはるのがとても面倒だったから、今日はシャワーだけでさくっと終わらせた。
お風呂から上がると眠気も冷めていい感じにおなかもすいたので、やっぱり野菜も食べることにした。
一度決めたことをすぐに取り消してしまう癖。そろそろやめないとなー。
ミニトマト三つときゅうり一本に塩を振る。
洗い物が面倒なので、納豆はパックのまま混ぜて食べる。
面倒くさがりというのも、私の悪い癖の一つだ。
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