先輩と甘い初恋はじめました。
1、WHITE

誰もいない中庭で



ーキーンコーンカーンコーン………。


午前中の最後の授業の終わりを告げるチャイムが学校に鳴り響く。



「じゃあ、今日はここまで。宿題忘れずにやってこいよー」



苦手な数学の授業が終わり、ほっと一息つきながら日直の号令に合わせてお辞儀をした。


今日もわからなかったなー………と、どうでもいいことを思いながら、教科書を机の中に閉まっていると、



「琥珀ー!お昼、今日は一人で食べてくれないかな?」


「え、なんで!?」



目の前に座っていた友達の、小林由香(こばやしゆか)がくるりと振り返って謝ってくる。私はそんな由香を見ながら目をぱちくりとさせた。



「今日ね、急に部活のミーティングが入っちゃって。お弁当、そっちで食べることになった」



サラサラのショートボブを揺らしながら申し訳なさそうに謝る由香。



「そうなんだ。わかった!私のことは気にしなくていいからね。ミーティング頑張って!」
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