先輩と甘い初恋はじめました。
初対面の人なはずなのに、ドキドキと心拍数が上がっているのは気のせい………かな。
「えっと、私は………1年3組の星崎琥珀です。すみません、寝ているところを勝手に……」
同級生か分からないのでたどたどしい敬語になってしまった。だって、見た感じ先輩なんだもん。
「星崎、琥珀………」
「ん?私のこと、知ってるんですか?」
私が名乗ると名前を繰り返して声に出した。名前が呼ばれた瞬間、ドキッと心臓が跳ねる。
思ったよりも低音ボイスで心地の良い声に聞き入ってしまう。
私、この人のこと、知らないよね………?
「ふーん。キミが星崎琥珀。………やっと会えたね」
「へっ?」
にっこりと笑いながら私にわけのわからないことを言うその人は、愛おしそうに、私を見つめてくる。
いや、勘違いなことはわかってるんだけどね?
実際私は知らないし、男友達なんていたことないし。