先輩と甘い初恋はじめました。
呆れたようにため息をつくと自分の席に戻って行った。
「由香?」
ーキーンコーンカーンコーン………。
由香が席に戻ったと同時に予鈴のチャイムがなった。だけど私は次の授業の準備をする気になれず、ぼーっと座っていた。
***
「私が律貴先輩を、好き………」
翌日の土曜日。
私は勉強道具を机の上に広げた。でも、由香が昨日言ったことが気になって、勉強に集中できない。
考えたことともなかった。
私が律貴先輩を好きなんて。好きって気持ちは分からない。以前、恋愛小説を読んだことがあるけど……自分で好きって気づいたことはない。
だけど…………律貴先輩を見てドキドキしたり、先輩が他の女の子と仲良くしてるのを見るとモヤモヤしたり。
これって恋なのかな、って思うことはたくさんあった。私は…………自分の気持ちに自信がないだけ。好きって気持ちを、認めたくないだけなのかな。