先輩と甘い初恋はじめました。

呆れたようにため息をつくと自分の席に戻って行った。



「由香?」



ーキーンコーンカーンコーン………。


由香が席に戻ったと同時に予鈴のチャイムがなった。だけど私は次の授業の準備をする気になれず、ぼーっと座っていた。



***


「私が律貴先輩を、好き………」



翌日の土曜日。


私は勉強道具を机の上に広げた。でも、由香が昨日言ったことが気になって、勉強に集中できない。


考えたことともなかった。


私が律貴先輩を好きなんて。好きって気持ちは分からない。以前、恋愛小説を読んだことがあるけど……自分で好きって気づいたことはない。


だけど…………律貴先輩を見てドキドキしたり、先輩が他の女の子と仲良くしてるのを見るとモヤモヤしたり。


これって恋なのかな、って思うことはたくさんあった。私は…………自分の気持ちに自信がないだけ。好きって気持ちを、認めたくないだけなのかな。
< 105 / 184 >

この作品をシェア

pagetop