先輩と甘い初恋はじめました。
私は誰だろう、と後ろを振り向いたけど、その顔を見て慌てて目を逸らした。
…………な、なんで………ここに、律貴先輩がいるの………。
ドアの方には………律貴先輩がいた。しかも………
「律貴、ここのカフェ、めちゃくちゃ可愛いね」
「…………ああ、そうだな」
円香さんと並んでカフェに入ってきていた。
心臓がドクドクとものすごい勢いで脈打つ。
なんでここに律貴先輩がいるのかより、なんでここに円香さんと一緒に来ているのかが気になって。
嫌な予感が拭えなかった。
お願い、どうか気づかないで………!
律貴先輩から離れるために図書館に来たのにこれじゃあ意味ないじゃん。
気づかないで、と祈るように必死で下を向きながらやり過ごす。
2人は並んでカフェの中に入っていった。
「お待たせー………って、琥珀ちゃん、どうしたの?」
「ちょ、静かにお願いします!」