先輩と甘い初恋はじめました。
カウンターの後ろから出てきた小橋さんは私を不思議そうに見た。
大きな声で名前を呼ぶもんだから、失礼だけど止めてしまった。こ、ここで律貴先輩にバレたら気まずすぎる………!
あの2人と一緒にいて、笑える自信がない!
「…………?はい、パンケーキ」
「あ、ありがとう、ございます………」
「どうぞ、召し上がれ」
そんな私だけど小橋さんは優しく笑い、パンケーキを置いてくれた。ふっくらと美味しそうに焼けているパンケーキ。
でも…………緊張しすぎて味が分からない!
「でさー、この前の話なんだけど………」
パンケーキを口に運びながら、後ろにいる律貴先輩たちの会話に耳を傾けた。
だけど声が小さくて全然聞こえない。仲良さそうに2人で話している姿を見て、ズキズキと胸が痛む。
「仲良さそうだね、あの2人」
「え?」
小橋さんが、洗い物をしながらボソリとつぶやいた。