先輩と甘い初恋はじめました。
「なら少しは自信もちなさい。私にはわかるんだよ。柊先輩と琥珀がカップルになる日は近いってね」
可愛くパチン、とウィンクしながら言い放つ由香。その姿は頼もしいけど、私と律貴先輩は上手くいかないと思う。
だってこれは私の一方的な片想いだもん。
きっと私のことなんて何とも思ってないよ。
「ありがとう。もう少しだけ頑張ってみて無理だったら諦めるよ。誕生日のデートでこの片想いを続けるか、想いを止めるか決めてくる」
「…………琥珀」
元々決めていたんだ。律貴先輩に恋をしているってわかったあの日からデートでこの恋を終わらせるかどうかを決めようと思ってた。
無謀な恋をするより、楽しい恋をして、実った方が全然楽じゃん?
律貴先輩はかっこいいから、私となんて当然釣り合わないし、これでちょうど良かったんだよ。
こんな苦しくて、苦い恋をするなら初恋はいい思い出にとっておきたい。