先輩と甘い初恋はじめました。
【律貴side】
はぁ…………やってしまった。
あの日、カフェでまさか琥珀に会うなんて思わなかった。
あの日は円香がどうしてもあのカフェに行きたいと言っていたので、渋々ついて行くことになった。
親にも行ってこいと言われたので断ることも出来ず………。
こっちはテスト勉強もあるっていうのに。
絶対琥珀に勘違いされたよな。
ああ、最悪だ。
***
「律貴。今日って空いてる?ほら、この前言ってたショッピングモールに行きたいんだけど」
テスト返しが全部終わった金曜日の放課後。
赤点回避ができてほっとしていると、円香が俺の席の前に来た。
嬉しそうに、楽しそうに。
なんで円香はここまで楽しそうなのか分からない。この前、告白してきたかと思えば、急に距離が近くなるし。
告白だって断ったはずなのに。
「悪い。今日は用事ある」
「えー、なんで。まさかまた星崎さんのこと?」