先輩と甘い初恋はじめました。
「だったらなんだよ。明日俺、出かけるって言わなかったっけ?」
琥珀のことをまるで敵、と言わんばかりの刺々しい言葉に引っかかるけど、円香のことを怒らせるわけにはいかないのでそのままスルーしとく。
「言ったよ。だから、今日のこの時間を使って律貴の誕生日プレゼントを買おうとしてんじゃん」
そういうことか。
毎年俺と円香の誕生日にはプレゼントを用意して送りあっていた。
今年は円香にプレゼントをもらうつもりはなかったのですっかり忘れていた。
「プレゼントはいらないよ。それと、今年でプレゼント交換するの終わりにしよう。俺たちはただの幼なじみなんだ。円香の告白も断ったはずだよ」
「………なんで。なんで私よりもあの子を選ぶの?告白だって勇気を出して言った。なのに……最近律貴が冷たい」
「それは…………琥珀に誤解されたくないからだ。頼むから俺のことはもうほっといてくれ」