先輩と甘い初恋はじめました。

泣きながらも俺の片想いを応援してくれた。


あれ…………。
さっきまで頑なだったのに。


急にすんなりと応援されて戸惑う。


嫌な予感がして、後ろを振り返ると………。



「…………琥珀!」



俺たちを見て突っ立っている琥珀がいた。



「律貴先輩、片想いの相手がいるって………本当ですか?」



まずい。


今の会話聞かれた。琥珀に誤解された。


すんなりと応援してくれたのはそのためだったのか。琥珀に………勘違いさせるため。


まんまとはめられた。


明日…………俺と琥珀の誕生日なのに。


これじゃあ一緒にお祝いすることができなくなる。せっかく琥珀に認めてもらえるようになってきたのに。



「違っ、…………」



誤解を解こうと慌てて否定しようとした。だけどここで違うと言ってしまったら?


例え琥珀が相手でも俺の気持ちに嘘をついてしまうことになる。
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