先輩と甘い初恋はじめました。

焦った俺は円香に釘を刺すように強く言うと、琥珀を追いかける。


最悪だ、最悪だ………。


ほんのちょっとでも円香に許した俺がバカだった。


こんなことになるなんて。


明日…………どうしても琥珀と一緒に過ごしたいんだ。


キミにおめでとうを言いたい。


こんな俺に………初めてをいっぱいくれたキミに感謝したい。


だから…………もう1度だけ、俺にチャンスをくれ。



「はぁ、はぁ………どこに行ったんだ?」



多分廊下を曲がって行ったはずだけど………。琥珀の姿はみえない。



「あ、小林!」


「え、柊先輩?」



廊下の先に小林がいた。確か小林は琥珀と仲が良かったはず。


居場所がわかるかもしれない。



「琥珀を見なかったか?」


「琥珀ですか?見なかったですけど………何かあったんですか?」



小林は不安そうに俺を見る。



「いや、それは今度琥珀に聞いてくれ。悪いな、引き止めて」
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