先輩と甘い初恋はじめました。
ファースト・キス
「………う、ヒック………」
放課後の中庭。
律貴先輩に片想いの相手がいることを知って取り乱した私は先輩に酷いことを言ってしまった。
もう会わないなんて。
一番私が嫌なのに、なんでそんなことを言ってしまったんだろう。
片想いをすることは自由なんではずなのに、私の一言で律貴先輩を傷つけて。
私、最低だ。
私の片想いは………終わった。
「…………いた」
「律貴、先輩…………」
中庭で泣いていると、息を切らした律貴先輩がドアの方に立っていた。
いや…………お願いだからこっちに来ないで。
律貴先輩にこんな泣き顔見られたくない。律貴先輩に嫌われたくない。
2人の邪魔してごめんなさい。
いくらでも謝るから今は私を見ないで。
「こ、来ないでください!」
何を考えているのか分からない顔でこちらに近づいてくる。