先輩と甘い初恋はじめました。

もっと、律貴先輩が欲しくて。律貴先輩の、彼女になりたくて。


今だけでいいから…………わがままを聞いてください。



「…………ごめんな。こんなに不安な思いをさせて。円香とはほんとになんでもないから」



私の不安をぬぐい取るように、優しく、それでも強く、抱き締め返してくれた。


ードキン、ドキン………。


…………っ、やばい。


心臓が壊れそう。顔も絶対赤くなってるよ。


律貴先輩に抱きしめられるのは何回かあったけど、こんなにドキドキしたのは初めて。


多分それは………律貴先輩のことが好きだから。


自分の気持ちがはっきりわかって、松井さんにも嫉妬して。だけど先輩が探しに来てくれたから安心したんだと思う。



「………琥珀」


「はい」



律貴先輩は私の名前を呼ぶとゆっくりと体を離す。



「そんな可愛い顔、すんなよ」


「か、可愛い……!?」
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