先輩と甘い初恋はじめました。

「私は…………松井さんに嫉妬しました。苦しくて、仕方なかったけど………おかげで自分のこの想いに気づいたんです」



松井さんに嫉妬したから自分の気持ちに気づくことができた。


由香に言われても自分の気持ちには気づかなかった。それくらい、私は恋を知らなかったのだ。


ドキドキすることも、好きな人を思って毎日を過ごすことも。


好きな人に、好きな人がいるって知って、苦しくなったことも。



「松井さんに比べたら律貴先輩に対する想いはまだ小さいかもしれないけど、今なら誰にも負けないって自信をもって言えます」



自分に自信がなくて。


不安だった高校生活。


だけど律貴先輩に出会って、毎日がキラキラと輝いた。


恋をするって、こんなにも楽しいことを教えてくれた。



「だから………ありがとうございます」



松井さんには苦しい思いをしてほしくないから。
< 139 / 184 >

この作品をシェア

pagetop