先輩と甘い初恋はじめました。
だって、ドキドキしすぎてお弁当の味とかわかんなくなっちゃうじゃん。
ゆ、由香ー!
早く戻ってきて!
「なんで?」
「なんでって言われましても………」
思っていることを直接言えるわけもなく、もごもごと言葉を濁らす。
ああ、早くこの場から離れたい。
だけど先輩ともう少し一緒にいたいという気持ちもある。
なんなんだろう………。
「早くしないと昼休み終わっちゃうよ?おいで?」
先輩に微笑まれ、腕を引っ張られた。
あっと思った時には時すでに遅し。気づいたら先輩の膝の上に乗っかっていた。
「やっ、律貴先輩、これは恥ずかしすぎますっ!」
「俺は全然恥ずかしくないよ?むしろもっと琥珀を近くに感じていたいし」
ードキッ。
先程よりも近くに聞こえる先輩の声。
囁かれるように言われたその言葉は私の心臓を早くした。
「な、なんですか、それ。からかうのもいい加減にしてください…………」