先輩と甘い初恋はじめました。

あ〜あ。


律貴先輩に情けないところ見られちゃったな。意地を張った私が悪いんだけど。



「無理しないでね。本番はこれからなんだから」


「ん?本番?」



本番………って、どういう意味なんだろ。



「やっぱり忘れてるね。まぁ、いいや。俺、お手洗い行ってくるよ。琥珀はここで休んでな」



ポンポンと頭をなでてからその場を離れる律貴先輩。


その後ろ姿を見て、はぁ………とため息がこぼれる。せっかくの誕生日なのに、私がこんなんじゃ律貴先輩に気遣わせてしまうじゃん。


律貴先輩にも楽しんでほしいのに。



「はぁ〜あ。プレゼント、いつ渡そう………」



ペットボトルを置いてカバンの中からラッピングされた律貴先輩用のプレゼントをそっと取り出す。


悩んで決めた律貴先輩へのプレゼント。


喜んでくれるといいんだけど…………。渡すタイミングが分からない。


世の中の彼女さんたちはどうやって渡してるのかな。
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